陽気がすっかり半袖シーズンへと移り変わっていき、
外を舞う花粉もスギからヒノキへと移り変わる3月の終わり
つい先日、
自分の体にヒノキ耐性が発現していた事実に、つい喜び打ち震えてしまった富田です
今ではすっかり数字や金額の計算に抵抗がなくなったのですが、
学生時代、算数・数学・物理・化学がとにかく大の苦手で、
中学・高校と、節目節目でひたすら文系特化な選択科目に身を潜めていたのですが、
あれから早くも20年の時が流れた今、
毎日のように計算と向き合い続ける営業職をこうして細く長く続けてもおりますと、
苦手意識の象徴だった「電卓」や「エクセル計算シート」たちとも、いつのまにかすっかりお友達になれてしまっておりますもので、
こと、数千万円の高額なお金の計算が当たり前な今のお仕事なんかでは、
たった1つの計算ミスが後々取返しのつかない金額のズレに発展してしまうこともあったりと、
もはや今では彼ら抜きではとても生きてはゆけない身の上となってしまいました
と、そんな思いに耽っておりました今日この頃
普段、「家を探し始めてまだ間もない」といったお客様へ、
ご来店やお電話などをキッカケに、
初めてゆっくりとお話しができるといった機会に恵まれた折などに、
「ご予算はおいくらほどでお考えでしょう?」と、
まさに不動産屋ド定番な質問をよくさせていただくことがあるのですが、
その際、多くの方が、
「だいたい〇,000万円くらいまでで…」や、
「えー…今の家賃と同じくらいで買えるくらいで」など、
やや自信なさげに「何となく感」でお答えになられるという方が、割と多くいらっしゃいます
中には、
すでにお知り合いのデキるFPさんなどから正確なアドバイスを受けておられたりで、
その方なりのまさにプロ顔負けな見事なまでの返済計画を練り込んでこられた上で、
おそらく富田のリアクションを試す目的でそのようなお答えをされている方も、ごくごく稀にはいらっしゃるのですが、
そのようなアドバイザーさんに通常なかなか出会えない大多数の方々は、
おそらくGoogleやYahoo!で、「家 買える金額 目安」などで検索し、独自に情報を収集され、
家を購入された後の様々な未来をご自身達なりにイメージされた上で「何となくこのくらいまでなら…」とお答えいただけている、といった方がほとんどなのではと実感しております
そうした素敵な自助努力を歩まれてきた方々からお聞きできる予備知識の中には、
家の購入には物件価格の他に諸費用もプラスして考えなければならないこと
住宅ローンで借りられる金額は年収のおよそ7倍くらいまで
などがよくあるのですが、
この「年収の7倍くらい」はとてもざっくりなようでいて、
お客様によっては実際にそれほど的を外していなかったりする、
“何とも一概には言えない目安感”でもあったりもしまして、
こうした割とざっくりと出回っている情報だけで、
「自分たちならたぶんこの価格帯くらいまでなら買えるだろう」とひとまず物件探しをスタートされてしまうというのも、ネット社会な今の世の中ならではの至極スタンダードな流れなのだと、
毎度ながら深く頷けてしまいます
ですがここで、
そうした多くの「何となく感な方々」へ、
不動産取引の現場にそこそこ長く身を置くアラフォー営業マンから、敢えて一言
ご自身の年齢や年収だけでの購入価格判断。
それ、そのままにしていて本当に大丈夫ですか?
住宅ローンは、数ある個人向け融資の中でもダントツの低金利を誇る特別なローン商品
それだけに、お金を貸す銀行といった金融機関側も、
教育ローンやマイカーローンといったその他の融資とは比較にならないほど厳しい目線で
「借りたい人」を審査します
車の購入でよくあるようなディーラー直営型のファイナンス会社ではなく、
都市銀行や地方銀行といった有店舗型の金融機関でローンを組む方の場合、
そのローンで得る対象が仮に車なのか、住宅なのか、教育資金なのか、その何であれ、
審査される「その方自身についての内容」は、ほとんど同じ項目だったりします
ローン審査で必ず考慮される内容とその理由
☑ 年齢
… 定年までの年数と退職金の想定額から、希望の融資金額に対する妥当性を審査
☑ 独身か婚姻者か、また子の有無
… ローン返済を安易に投げ出さない責任的立場にあるか、またその安定性を審査
☑ 被雇用者か、事業主・法人経営者(役員)か
被雇用者の場合 正社員か、それ以外(契約・派遣・パート等)か
… 雇用保障の長期性や、不当解雇への抵抗力による安定性を審査
事業主・経営者の場合 会社の赤字や黒字などの業績推移
…倒産リスクの有無(経営の長期性)を審査
☑ 勤め先・経営会社の内容や業種
… 収入源の資本力や、社会的信用力(上場か非上場か等)からの安定性を審査
☑ 勤続(経営)年数と過去の転職歴
… 業種・職種に対する継続性(専門性)の高さと持続性の有無からの安定性を審査
☑ 国家資格の有無
… 予期せぬ失業や転職時における復職能力の審査
☑ 過去の信用情報
… お金の取扱いに対する意識などの信用性を審査
その他にも、
「退職金やその制度の有無」や、「実家までの距離(いざという時の助力の有無)」など、
主に“その方の収入における長期的な安定性”を、様々な視点から審査するための項目が
まだまだ細かく敷き詰められており、
提出するエビデンス書類の不正な改ざんなどが事前に行われることを防ぐためにも、
その審査実態の全てが私たちやお客様のような外部に知り渡ることはまずないのですが、
おおよそ「この人にこんな高額なお金貸しちゃってホントに大丈夫なのか?」を、
これでもかというぐらい正確に、そして慎重に見定めてくれています
(安易に貸しちゃって破産させるわけにはいかない、大きな責任を伴うお仕事なわけです)
一歩間違えれば、その方を破産という地獄にも追い込み兼ねない、高額すぎる住宅ローン
それだけに、その責任の一端を担う金融機関は、
融資の判断をその方個人の「性格」や「人間性」といった曖昧な部分では決して考慮せず、
少し上で列記したような、
いわゆる「属性」と呼ばれる一つ一つの経済的ステータスのみを確たる根拠として、
「その方に延滞リスクが起こり得る可能性」を冷静に見極め、信用性を判断しています
そして、その信用性が無事にクリアできたとしても、
「万が一にも返済が滞ってしまって、いざ競売しなければ…となった時、この物件って担保価値として本当に大丈夫なのかな?」という、
その方が購入する物件に対しての審査がここでさらに加わることとなり、
この「人」と「物」の審査を終えた結果で、
「融資してもOK!」の承認や、
「ちょっと借りる額減らしとこうか」の減額措置、
「ごめん、あなたにお金貸すの怖い」の否決(融資不可)、
といった最終判断が為されることとなります
つまり、
お金を借りたい方が例えどれだけの高年収の持ち主だったとしても、
万が一その方がローンを返済できなくなってしまった時のことを金融機関は必ず想定し、
その時には物件を差し押さえて任意売却や競売で融資金の回収をしなければならないため、
その物件の担保評価が、もし初めの審査の段階で、
「もしもの時の充分な回収は見込めない」と判断されてしまった場合には、
融資金額の減額、もしくは融資そのものを断られてしまうということが、
現実として起こり得てしまうわけです
ここで、どうかイメージしてみてください
事前にそうした危険性をほとんど探ることもなく、
初めて出会った経験若き不動産屋のお兄さんからは予め何も注意喚起がなく、
頑張って探し続けてやっとこさでついに出会えた運命の物件と、
それまでの長かった時間が、
自身の思いもしなかった不利なステータスや、
想像もしなかった物件の思わぬ価値の低さで、
「ローン審査の否決」というたった一つの結果だけで、跡形もなく吹き飛ぶ瞬間を…
これは、そうそう多くは起こり得ないというようなレアなケースでのお話では決してなく、
おそらく日本全国、津々浦々で、お家探しの方々に実際に多く起こってしまっているであろう、
富田自身も昔、同じような思いをかつてのお客様に対して実際に起こさせてしまった、
痛ましい実例のほんの一つなのです
また、
これはここ3年ほど以内での、住宅ローン事情における審査システムの変化のお話
最近では、ネットバンクを始めとした多くの金融機関が、
「WEBによる事前審査(仮審査)」を全面的に推奨し始めてきております。
この、事前審査WEB化の促進によって、
以前ではじっくりと一週間前後の時間を掛けて行われてきた事前審査が、
今では長くても1日~3日、銀行によっては即日回答!といったスピードにまで簡略化されてきております
そのスピーディー化を実現できているシステムの一端には、
従来の「人の目による審査」ではない「AIによる自動スコアリング審査」の導入が、
その大きな役割を果たしております
この、ローン審査における“人からAIへの台頭”が、
日本の住宅ローン市場において果たして正しく機能できているのか、
という話は今回はひとまずさておいて、
今後、こうした「人の目による審査」が減ってくるということは、すなわち、
その方の人生においてとても大きなライフイベントともなり得るマイホームの購入、
そして、その購入の可否の全てを左右する最も重要な第一関門となるローン審査が、
今後はより機械的に、そして人の機微が一切介入しない判断の上で行われていくことを意味しています
もちろん、この簡略化やスピーディー化が、
ライバルに競り勝つために一日でも早くローン審査を通したい方や、
その仲介担当者にとっては、とても救いとなる効率化にもなっていたり、
金融機関側も、審査を効率化することでより多くの顧客を少ない労働力と時間で対応でき、
人件費を大幅に減らせることで、ネットバンクに対抗した低金利と充実の保険商品が揃えられ、更なるより多くの顧客を自社で囲い込んでいけることにも繋がるわけなので、
住宅ローン商品では常に赤字だけしか生まれない今の超マイナス金利時代、
木を見ず森を見た場合、これが果たしてデメリットの大きい変化なのかというと、
どうやらそうでもなさそうな大きな経済的効果が生まれていってくれそうです
ここで、今まさに住宅購入をお考えで、
「自分のステータスで住宅ローンは組めるのか?」や、
「購入しようとしているちょっと特殊な物件…ローン通るかな?」とお悩みになられている方、
近いうちにでもぜひ、
信頼のおけるお近くのファイナンシャルプランナー、
もしくはそれなりの取引経験を持つ宅建士(不動産営業)へご相談いただき、
その方々が持つ数多くのローン経験から、
ご自身の購入に対する融資の可否についてを、
一度客観的に判断してもらってみることをお奨め致します
もしそうした頼れる先が居ないという方、
ぜひアートハウジングまでご相談ください
こうしたご時世、メールやLINEのみでのご相談も進んでお受け致します
ちなみに、ここまででお話したケース以外にも、
過去にいろいろとしんどい遠回りをされた末に、
最後は富田から何とか無事に購入いただけたというお客様が、実際にいらっしゃいました
その方は元々、クレジットや携帯電話での延滞を何度か繰り返したことがあった方で、
以前につい一目惚れしてしまった割とイイお値段の車を買おうとされた際、
何となく不安だったローン審査が、意外にもあっさりと組めてしまったことから、
その数年後に住宅購入を検討された際、
「住宅ローンもたぶん大丈夫だろう」とつい油断されてしまい、
当時に出会った、ご本人いわく、
今思えばまさしく典型的なまでの“ただ家を売りたいだけだった営業マン”に、
ひたすらに促されるがまま住宅ローンの事前審査に臨まれてしまわれたものの、
結果はまさかの否決
それもそのはず、
その方はその時点でもまだお車のローンが残っており、その上、つい安易な動機で借り入れを起こしてしまった「消費者金融系のカード」を解約せずに持ち続けてしまっていました
審査を否決にした銀行の担当者からおそらく何も聞かされなかったのであろう当時の担当営業マンは、「審査した銀行との相性がたまたま悪かっただけですから」と、そこからさらに3社、4社と別々の銀行でも審査をさせ続けてしまい、
その方は、気が付けば、
「たくさんの住宅ローン審査を繰り返したという負の履歴」だけを、自身の信用情報に深く刻み込んでしまう形となってしまい、その物件と不動産会社とは涙と怒りのお別れを…
その後に問合わせた物件をキッカケに初めて富田と出会っていただけ、
ちょうど当時、弊社と提携を結び始めたばかりの地方銀行さんに一切の事情を説明し、
返済中だった車のローンを事前完済、消費者金融系のカードを即座に解約したことで、
その当時の地方銀行における金利としてはかなり低かった「0.575%」の優遇金利で、
無事のマイホーム購入を果たしていただけた、といったお客様でした
住宅ローン審査は、
数打てば当たるなんていう博打的ものでは決してなく、
それどころか、数打つほど当たらなくなってしまうという、
極めて正直でデリケートな金融商品です
ご自身が本当に購入するべき物件価格は果たしていくらまでのものなのか、
そもそも借入れができるのか、もしかしたら今は無理をすべき時ではないんじゃないか
など、こればかりはいくらインターネットで探してみても答えは見つかりませんし、
ご自身以外の誰かが、スパッと正解を助言できるような簡単な答えでもありません
ご自身やご家族のこれからを幸せにするためのマイホーム計画
ご自身達に対して事前にどれだけ正確な心の備えをしてあげられるかが、
その後のお住まい探しにおける大きなタイムロスや、
思わぬ融資の否決で「こんなはずじゃなかった…」と大きな後悔を生んでしまう未来を僅かにでも変えてくれる、
必ず最初に行うべき一番大切なお住まい探しのスタートなのではないかと、私は考えております。
ここまでのお読み進めをありがとうございました
これからも、こちらのブログの富田回では、
住宅ローンにまつわる内容を定期的にお届けしていきたいと思っております
次回は、ローン審査におけるより具体的な裏側のお話
これを知れば、
ご自身の現在における実質的な借入可能額を、かなり正確に把握いただけるかもしれない、
「適用金利と審査金利」や「返済比率」の仕組みについて、触れていこうと思います
また、
こんな文字ばっかの説明じゃぜんぜん頭に入ってこないよ、もう無理!という方、
今回は、新たな試みとして敢えてこうした「コラム調のブログ」を始めてみたかったため、
富田自身全くの不慣れなままひたすらに書き連ねてしまった内容だったのですが、
もしオンライン通話や直接のお電話にご抵抗があられませでしたら、
同じ内容をよりざっくりと分かりやすく、Q&Aも交えてながら詳しく解説させていただきます
この続きや、もっとより深い内容をお聞きになりたいと感じていただけた方は、
ぜひアートハウジングの富田まで、いつでもお気軽にご連絡ください
メールやLINEによる相談も進んで受け付けております
弊社WEBのTOPページより、どうぞお気軽にご利用ください